FM-7/8シリーズ FM-CP/M 画面キャプチャ集(アプリケーション編)

• SOFT：Microsoft BASIC-80 Rev. 5.21 (CP/M Version)
• 機種：CP/M-80動作機種
• 発売元：Microsoft, Inc.
• 発売時期：1981年7月
• 価格：$350.00(米国)／\105,000(国内) ...この差は何なんだ...orz
  
  
• 特に設定とかインストールとかなくて、いきなり起動できるのが MBASIC のいいところです。
  (スクリーンエディタは使えませんが)

• SOFT：Microsoft BASIC-80 Rev. 4.51 (CP/M Version)
• 機種：CP/M-80動作機種
• 発売元：Microsoft, Inc.
• 発売時期：1977年
  
  
• 同梱の、OBASIC を起動してみます。こちらは、BASIC-80 Rev. 5.0以降で大幅に仕様変更があったため、互換性のため旧バージョンを同梱しているそうです。 丁度、NEC の PC-8801 が N88-BASIC と N-BASIC を同時搭載しているのに似ていますね。
• MBASIC(Rev. 5.0以降)とOBASIC(Rev. 4.51以前)の主な違いです。
  

  		Rev. 4.51以前	Rev. 5.0以降
  変数名の識別		先頭2文字	先頭40文字
  CALL, CHAIN, COMMON, WHILE, WEND, WRITE, OPTION BASE, RANDOMIZE命令		×	○
  RND関係	RND <引数なし>	×(Syntax Error)	○(RND(正値)と同じ)
  	RUN時の乱数系列	前回RUN時の乱数系列 (BASIC起動時は固定)	固定
  	乱数系列(シード値のみ)の変更	×	RANDOMIZE命令
  	参考：共通仕様	RND(0)　 ：前回生成乱数 RND(正値)：乱数生成 RND(負値)：乱数系列の初期化(シード値は負値に紐付くが、概ね0.3付近に固定)
  浮動小数点から整数への変換時		小数点以下切り下げ	小数点以下四捨五入
  文字列領域		固定サイズ、CLEAR文第1パラメタ	空きメモリの許す限り
  スタックサイズ		空きメモリの許す限り	固定サイズ、CLEAR文第3パラメタ
  条件不成立 FOR-NEXT LOOP		1回は実行	実行しない
  0での除算		エラーで停止	メッセージ出るが、最大値を代入して継続
  '@','_' を編集制御文字として使用		○	×(一般文字扱い)
  PRINT USINGにおける制御文字 '_','&'		×	○

  
  「あれ、これってN88-BASICとN-BASICの違い(の一部)にそっくりじゃん」と思ったそこのあなた！
  さすがお目が高い！ その通りなんです。
  N-BASICは当時最新のBASIC-80のRev.4.5系をベースに、N88-BASICは同じく当時最新のRev.5.0系をベースに開発されたと言われてます。
  

• SOFT：SUPER STAR TREK (Arranged for Microsoft BASIC-80 Rev. 5.xx, ADAM-3A Terminal)
• DATE：Unknown (around 1981)
• Archive:http://www.z80.eu/basic.html by Peter Dassow
  http://www.z80.eu/startrek/startrek.zip (STARTREK.BAS TREKINST.BAS)
  下記のOriginal書籍に掲載されたままでは Rev.5.xx のMBASICでは動かないので、どなたかが手を加えています。
• Original掲載書籍：Basic Computer Games Microcomputer Edition, 1978, David H. Ahl
  Workman Publishing, ISBN 0-89740-052-3, $7.95
  この書籍は、1971年発刊の有名な101 BASIC GamesをMS 8K-BASIC用にアレンジして再編集したもののようです。
  数多くの国産PCに STARTREK が移植されていましたが、このバージョンをベースにしていたものと思われます。
  • Author：John Borders
  • Original Program：Mike Mayfield、1971 + Bob Leedom、1974
    
  
  
• 上記のArchiveより、STARTREK.BAS と TREKINST.BAS を取り出して、CP/Mのディスク(イメージ)に書き込みます。
• 続いて、STARTREK.BAS を LOAD して、実行します。
  メモリ残り容量は10KBを切っています。

• すると、エンタープライズ号が動きます！ここで感動してください。
  
  
• 実物は、もっとカクカクした動作です。また、アニメーションは１回のみです。

• アニメーションが終わると、ミッションが示されます。
  まぁ、xx日以内に yy隻のクリンゴン宇宙戦艦をやっつけろ、という指令です。
  (xx とか yy とかの数字の部分は乱数で変わるようになっています。)
  
  
• 準備が出来たら、Y リターンとします。
• N リターンとすると、TREKINST.BAS を読み込んで、操作方法、ゲームの説明が始まりますが、 省略します。

• おなじみの画面になります。
• ごゆっくり、お楽しみください。
  
  
• さて、話が前後しますが、FM-CP/M は ADAM-3A の画面制御コードを受け付けませんので、 その対策が必要です。
  実は、上記のSTARTREK.BAS、TREKINST.BAS には次の対策を施していました。
  • STARTREK.BAS
    210 PRINT CHR$(26)
    226 PRINT:PRINT:FOR ZZ=1 TO 7:PRINT CHR$(11);:NEXT ZZ:NEXT YY
    1310 PRINT CHR$(26)
    ↓
    210 PRINT CHR$(12)
    226 PRINT:PRINT:FOR ZZ=1 TO 7:PRINT CHR$(30);:NEXT ZZ:NEXT YY
    1310 PRINT CHR$(12)
    
  • TREKINST.BAS
    25 PRINT CHR$(26)
    120 PRINT CHR$(26)
    352 LINE INPUT "ENTER [CR] TO CONTINUE";A$:IF A$="" THEN PRINT CHR$(26)
    531 LINE INPUT "ENTER [CR] TO CONTINUE";A$:IF A$="" THEN PRINT CHR$(26)
    741 LINE INPUT "ENTER [CR] TO CONTINUE";A$:IF A$="" THEN PRINT CHR$(26)
    951 LINE INPUT "ENTER [CR] TO CONTINUE";A$:IF A$="" THEN PRINT CHR$(26)
    1116 LINE INPUT "ENTER [CR] TO CONTINUE";A$:IF A$="" THEN PRINT CHR$(26)
    ↓
    25 PRINT CHR$(12)
    120 PRINT CHR$(12)
    352 LINE INPUT "ENTER [CR] TO CONTINUE";A$:IF A$="" THEN PRINT CHR$(12)
    531 LINE INPUT "ENTER [CR] TO CONTINUE";A$:IF A$="" THEN PRINT CHR$(12)
    741 LINE INPUT "ENTER [CR] TO CONTINUE";A$:IF A$="" THEN PRINT CHR$(12)
    951 LINE INPUT "ENTER [CR] TO CONTINUE";A$:IF A$="" THEN PRINT CHR$(12)
    1116 LINE INPUT "ENTER [CR] TO CONTINUE";A$:IF A$="" THEN PRINT CHR$(12)
    

• 詳細はこちらのページで。

• 同じく、実行結果です。
  実行環境：XM7 V1.1 L77sx+z09 FM-77モード(4MHz)
  ＯＳ：CP/M-80 V2.2 L2.0 for FM-77
  

  MBASIC (BASIC-80 Rev. 5.21)	5:24
  OBASIC (BASIC-80 Rev. 4.51)	5:45

• 変数名を40字まで識別できたり、いろいろと機能が増えてる Rev. 5.xx系 の方が遅いかな、 と思ったら逆の結果でした。

• SOFT：TURBO PASCAL V3.01A (CP/M Version)
  CP/M-80用としては最終バージョンと思われます。
• 機種：CP/M-80動作機種(Z80 CPU必須)
• 発売元：BORLAND INTERNATIONAL, Inc.
• 国内代理店：MSA(マイクロソフトウェアアソシエイツ)、サザンパシフィック
• 発売時期：1985年8月
• 価格：$69.95(米国)／\29,800(国内) ...この差は何なんだ...orz
  
  
• FM-7/8用の専用版は発売されていませんので、購入後に設定が必要です。
  TINST を起動します。

• こんな画面になります。
  画面設定を行いますので、Sキー を押します。

• 登録されている端末のリストが表示されます。
  当然、FM-7/8 は登録されていませんので、31 を選択します。

• Terminal type: には端末種類名を入力します。ここでは Fujitsu FM-7/8 CP/M としました。
• Send 〜 (Y/N)? に対しては N を入力します。(2か所)
• CURSOR LEAD-IN command: に対しては、ESCキー、=キー の順に入力します。
  ESCキー を押すと、<ESC> と表示されます。
• 続く 2行の CURSOR POSITIONING 〜: に対しては リターンキー を入力します。(2か所)
• Column first (Y/N)? に対しては N を入力します。
• 続く 2行の OFFSET to 〜: に対しては 32 を入力します。(2か所)
• Binary address (Y/N)? に対しては Y を入力します。
• CLEAR SCREEN command: に対しては、CTRLキー を押しながら Lキー を押します。
  すると、Ctrl-L と表示されます。
• Does CLEAR 〜 (Y/N)? に対しては Y を入力します。
• 続く 3行の 〜 command: に対しては リターンキー を入力します。(3か所)
  　特に、HIGHLIGHT(ハイライト)表示はぜひ付けたかったのですが、
  　FM-7/8のサブシステムの仕組み(アトリビュート変更とスタートフィールドが同時設定される)
  　と決定的に相性悪く、どうやっても画面が乱れるのであきらめました。
• Number of rows 〜: に対しては、25 を入力します。
  
• Number of columns 〜: に対しては、80 を入力します。
  　他のCP/M機では 24行が一般的ですが、FM-7/8 では 25行が最適値です。
• 続く 2行の Delay after 〜: に対しては リターンキー を入力します。(2か所)
• 最後に Y で終了します。

• 最後に動作周波数を聞かれますので、4 を入力します。
  (FM-8 では 3 のままでいいかもしれません。)

• すると、元の画面になります。
  確認のため、Sキー を押します。

• 無事、FM-7/8 CP/M が登録されました。
  終了するので、CTRLキー を押しながら Qキー を押します。
  
  
• ちなみに、Oh!FM版63K CP/M においても、上記設定で問題なく動作します。[重要]

• SOFT：TURBO PASCAL V3.01A (CP/M Version)
• 機種：CP/M-80動作機種(Z80 CPU必須)
• 発売元：BORLAND INTERNATIONAL, Inc.
• 国内代理店：MSA(マイクロソフトウェアアソシエイツ)、サザンパシフィック
• 発売時期：1985年8月
• 価格：$69.95(米国)／\29,800(国内)
  
  
• それでは、TURBO PASCAL 本体を起動してみましょう。
  TURBO で起動します。

• これが起動画面です。
  先の TINST で設定した、FM-7/8 CP/M になっています。
• エラーメッセージ(TURBO.MSG)を読み込むか否か聞かれますが、とりあえず N を入力します。

• 続いて、メニュー画面というか、ホーム画面です。
  コマンドプロンプト > が出ている時に リターンキー を押すとこの画面に戻ります。
• 本来であれば、この画面はハイライト表示になっていて、どのキーを押すとどの機能になるのかわかりやすいのですが...
  • L Login Drive の切り替え
  • W Work File の設定
  • E 編集モード
  • C Compile
  • R 実行
  • D Directory表示、ワイルドカード可
  • Q Quit
  
  
• とりあえず Eキー を押してみます。

• すると、Work File の設定を促してきますので、HELLO.PAS と入力します。
  
  
• 一旦、HELLO.PAS ファイルを読み込もうとしますが、存在しないので、新規ファイル作成になります。

• エディターモードの初期画面です。

• 定番の、Hello, world. を入力してみます。
  
  
• フルスクリーンのエディタになっていて、Word Master と似た感じのキーオペレーションです。
  
  
• 最後、この画面からは CTRL-K CTRL-D で抜けます。[重要]

• すると、最下行にコマンドプロンプトが出ます。
  
  
• ここで、再度 リターンキー を押してホーム画面に戻りましょう。

• ホーム画面に戻りました。テキストで 62byte 消費しているようです。
  
  
• それでは、Cキー を押してコンパイルしてみましょう。

• コンパイルはあっという間に終わります。
  
  
• 続いて、Rキー を押して実行してみましょう。

• Hello world. と正しく表示されました。
  
  
• ここで、ここで Qキー を押してみると、HELLO.PAS をまだセーブしてないぞ、と警告が出ます。
  Yキー を押してセーブしてみます。

• すると、最下行にコマンドプロンプトが出ます。
  
  
• ここで、再度 リターンキー を押してホーム画面に戻りましょう。

• セーブが完了したので、DIR でディレクトリ表示すると、確かに HELLO.PASファイル が出来ています。
• TYPEコマンドで HELLO.PAS を表示してみましょう。
  
  
• これで、TURBO PASCAL編は終わりです。お疲れ様でした。

• 次に、Pascalの特長の一つであるリカーシブコール(再帰呼出し)を含むプログラムを動かしてみましょう。
• 題材は、巨匠 Niklaus Wirthさんの名著 Algorithms + Data Structures = Programs (Prentice-Hall, 1976) に掲載されていた、 8-Queen です。
• 当時、ベンチマークプログラムとしてもよく利用されていたようです。
  
  
• こちらに打ち込んだものを置いておきます。
  左は、これを 8QUEEN.PAS という拡張子でセーブしたものです。

• 残念ながら、CP/M-80版のTURBO PASCALでは、上記のプログラムはそのままでは動きません。
  そこでおまじない {$A-} を冒頭に追加しておきます。
• 修正後、CTRL-K CTRL-D で抜けます。[重要]
  
  
• ちなみに、このおまじないはリカーシブコールをサポートしたオブジェクトコードを生成するように指示する コンパイラディレクティブです。CP/M-80版のTURBO PASCALでは、デフォルトではリカーシブコールをサポートしないオブジェクトコードを生成します。 (MS-DOS版TURBO PASCALではこのおなじないは不要でした。)

• 次にコンパイルしてみます。
• 一瞬で終わります。

• それでは実行してみます。
• 92通りの組み合わせが順に表示されます。

• 途中省略してますが、最後まで表示するのに 7.6秒程かかりました。
  
  
• これで、TURBO PASCAL編は終わりです。お疲れ様でした。

• SOFT：WordMaster 1.07A (CP/M Version)
• 機種：CP/M-80動作機種
• 発売元：MicroPro International, Corp.
• 国内代理店：MSA(マイクロソフトウェアアソシエイツ)
  まだマイクロプロ ジャパン(日本法人)が出来る前ですね。
• 発売時期：1980年
• 価格：$150.00(米国)／\51,000(国内)／\35,000(富士通版FMシリーズ専用)
  
  
• 富士通版以外をFM-7/8用CP/Mで使うには購入後に設定が必要です。
  
  
• フロッピーディスクの中味は、左の様なのか、

• こちらの様なのか、どちらかです。
  
  
• 必要なファイルは、WM.COM と WM.HLP です。
  
  
• 以降で行う設定は、細かい点で富士通版とは異なっていますが、出来上がりの機能は同じです。【重要】
• 次のような仕様です。
  • 画面サイズ：80桁x25行
  • 画面消去：<CTRL>L
  • 文字表示位置制御：<ESC>'='YX
• ちなみに、Oh!FM版63K CP/M においても、上記設定で問題なく動作します。[重要]

• 続いて、バージョン番号の確認です。WM とだけタイプするとバージョン番号とシリアル番号が表示されます。
  
  
• "release 1.07A" となっていることを確認してください。
  それ以外のバージョンの場合はご相談ください。

• WordMaster の端末設定は TURBO PASCAL と異なり、アセンブラ(ASM)とデバッガ(DDT)を使います。
  ソースリストをこちらに用意しましたので、なんとかフロッピーディスク(もしくはイメージ)に取り込んでください。
  
  
• 左は、ソースファイルを取り込んだ状態です。

• A:ドライブに置いてある ASM を起動します。
  
  
• 短いプログラムなので一瞬で終わります。.PRNファイルと、.HEXファイルが生成されます。

• 生成された .HEXファイルの中味はこんな感じです。

• 続いて、A:ドライブに置いてある DDT を起動します。
  
  
• 左画面の通り入力し、.HEXファイルを読み込ませて SAVE するだけです。
  念のため、WMFM.COM という別なファイル名で SAVE することにします。(後でリネームしてください。)

• WMFM とだけタイプしてみます。
  
  
• ここまでは問題ないようです。

• 続いて、何等かファイル名を指定してみます。WMFM HELLO.TXT としてみました。
  
  
• 存在しないファイル名を指定した場合には、新規作成として、一瞬だけ NEW FILE と表示されます。

• 新規作成の場合には、画面が真っ暗になります。焦らないでください。
  
  
• ちなみに、起動時には必ずビデオモードになっているようです。

• 何か打ち込んでみましょう。

• <ESC>キーを押すと、コマンドモードに入ります。
  
  
• コマンドモードで、V、リターン、とタイプするとビデオモードに戻ります。

• E、リターン、とタイプして、編集を終了します。

• DIR としてみると、ちゃんとファイルが出来ています。
  
  
• TYPE コマンドでも無事中味が表示されました。

• さて、ここからが本番です。
  
  
• 今回のFMシリーズ用の画面制御設定ソースファイルを開いてみましょう。

• カーソルは、<CTRL>-E/S/D/X で一文字単位で移動させます。
  <CTRL>-A/Fですとワード単位です。
  <CTRL>-R/Cですと画面単位です。
  
  
• カーソルをいろいろ動かしてみてください。
  ダウンスクロールがないので、ちょっとイケてないですが、 <CTRL>-R/C と組み合わせて、狙った行まで持って行きます。
  なにしろ、マウスの無い時代なので。

• ビデオモードで、<CTRL>-J とするとヘルプ画面になります。
  同じフロッピーに、WM.HLP ファイルが格納されている必要があります。
  
  
• この画面では、ビデオモードにおけるキー操作を説明しています。

• さらに<CTRL>-J として、ヘルプ画面の2画面目です。
  
  
• ラインエディタとしてのコマンド説明です。

• さらに<CTRL>-J として、ヘルプ画面の3画面目です。
  
  
• テキストのサーチやリプレースの説明がここにあります。

• さらに<CTRL>-J として、ヘルプ画面の4画面目です。(これで最後)
  
  
• スクラッチパッド(Q BUFFER)を利用したカット&ペーストの説明があります。

• さらに<CTRL>-J として、ビデオモードに戻りました。
  
  
• 修正はしないので、<ESC>キーを押してコマンドモードに移り、Q、リターンで終了します。
  本当か？と聞いてくるので、Y、リターンとします。

• 無事 CP/M のコマンドプロンプトに戻りました。
  
  
• これで、WordMaster編は終わりです。お疲れ様でした。