FM-8/7/77 画面キャプチャ集(by はせりん)

本ページの各画面キャプチャについては、XM7 V1.1を使用させていただきました。
PI.さん、たけがみりうさん、いつも感謝しております。
(XM7がなかったらこんなページを作ろうという気にはなりませんでした。^^;)

お急ぎの方へ。
・F-BASIC V1.0 & V2.0 (FM-8)
・F-BASIC V3.0 (FM-7/NEW7/77/77AVシリーズ)
・F-BASIC V3.0J (FM-7/NEW7/77/77AV) ・日本語入力方法(かな漢字変換方法)
・F-BASIC V3.5 (FM-77) ・日本語入力方法(かな漢字変換方法)
・F-BASIC V3.x 一覧表 (FM-7/NEW7/77/77AVシリーズ)

2. F-BASIC 詳細編

2.1 F-BASIC V1.0 および V2.0 (FM-8) の部

F-BASIC V1.0にはマイナーバージョンがいくつか存在することが知られています。
それでは V1.03 / V1.04 / V1.05 / V1.06 の ROMイメージを元に、違いを調べてみましょう。 F-BASIC V1.0x では、&H8900番地にバージョンストリングが格納されています。
(各画像をクリックするとフルサイズの画像になります。)

これは有名なバグですが、V1.03 では引数なしで BEEP とやると Syntax Error になります。 (BEEP 1 や BEEP 0 はOKです。)

本バグは、V1.04 以降で修正されています。(左のキャプチャ画面は V1.05 のものです。)
V1.04以降では、V1.03では未使用であった&H8800～88FFを利用して数多くのパッチが当てられています。 V1.03におけるエントリポイントを変更しないよう、かなり苦労してパッチを当てているようです。

V1.03 から V1.05 へどの程度修正されているのかバイト単位で比較してみました。
白は一致、赤は不一致、水色は未使用領域です。
BASIC部分はエントリポイントを変更しないよう、BIOS部分は特に気にせず修正しているようです。

V1.04 の ROM です。
これもかなりレアだと思います。

V1.03 と V1.04 の比較です。
BASIC部分はエントリポイントを変更しないよう、BIOS部分は特に気にせず修正しているようです。

V1.04 と V1.05 の比較です。
V1.04 のリリース日から1ヵ月に満たないですが、かなり変更されてます。
BIOS部分は V1.04 で大幅変更済みのためか、V1.05 では変更ないようです。

V1.06 の ROM です。
起動メッセージでは V1.1 になっていますが、内部バージョンは V1.06 です。

V1.05 と V1.06 を比較してみました。V1.03 と V1.05 の差よりも多い感じです。(BIOS部分の変更を別として)
命令が追加されているとかはなくて、バグ修正のようです。

ついでに、DISK-BASIC の日付格納領域をみてみましょう。

RAM領域の最後の方に日付と作成者の方のお名前が見えます。

次は、F-BASIC V2.0です。
F-BASIC V2.0は、最初に８インチ版が提供され、その後５インチ版が提供されました。
はせりんは８インチ版の実物を見たことがありません。
以下は、手元の５インチ版について調べたものです。
F-BASIC V2.0x では、&HFBA5番地にバージョンストリングが格納されています。
（ちなみに F-BASIC V3.0x (ROM版)も同じ場所に格納されています。）

こちらはかなりの初期版と思われます。便宜上、V2.0 L0.0と呼びます。

こちらは広く流通している版だと思います。便宜上、V2.0 L1.0と呼びます。（なぜなら、原本フロッピーディスクにそう書いてあったので）
V2.0 L0.0と比較すると、インタプリタ部分にけっこう差分があり、パッチが少なからず当てられています。それ以外にも添付ユーティリティプログラムにも微妙な違いがあります。(後述)

上記２つのバージョンでどの程度違いがあるのかバイト単位で比較してみました。
白は一致、赤は不一致です。
尚、初期化終了後のフリーエリアの最終アドレスは&H71D4 になっており、これはF-BASIC V1.0～3.0のDISK版で共通になっています。

次に、各DISKのFILESを取ってみます。
こんだけ少ないファイルですから、FILES横表示拡張など不要です。（笑）

こちらはV2.0 L0.0です。

こちらはV2.0 L1.0です。
V2.0 L0.0と比較すると、SYSDSK5のサイズが大きくなっているのと、DEMOを除く各ファイル名の末尾に“５”がついていることです。ちなみに、８インチ版の各ユーティリティプログラムのファイル名の末尾は“８”になっているはずです。

最後に、SYSDSK5の違いを見てみましょう。

こちらはV2.0 L0.0に添付のSYSDSK5です。
システムコピーは、０→１に限定されています。（この画面ではFORMATを省略していますが、 FORMATもドライブ１に限定されています。）

こちらはV2.0 L1.0に添付のSYSDSK5です。
FORMATおよびシステムコピーについて、シングルドライブでも可能となっているのが大きな違いです。
VOLCOPY(5)については、いずれもシングルドライブをサポートしています。また、DFMCD(5)やMCOPY(5) といったバイナリコードはファイル名は違いますが中身は同一でした。

それでは簡単にまとめておきます。(表１)

	版数	バージョンストリング			起動(ブートROM)	利用可能デバイス(◎は起動デバイス)				搭載機・入手方法
	版数	内容	メモリ位置	フロッピー位置	起動(ブートROM)	32K BUBBLE	128K BUBBLE	5" FDD	8" FDD	搭載機・入手方法
ROM-BASIC	1.03	0103810727	&H8900	--	BASICモード	○	--	--	--	FM-8 本体内蔵
	1.04	0104810904	&H8900	--	BASICモード	○	--	--	--	FM-8 本体内蔵
	1.05	0105810922	&H8900	--	BASICモード	○	--	--	--	FM-8 本体内蔵、交換サービス
	1.06	0106820629	&H8900	--	BASICモード	○	--	--	--	交換サービス
DISK-BASIC (5インチ版)	V1.0 L1	81.10.31 FUJITSU, KENJI-KUDO	&H7FE0	TRK=0, SCT=32	BASICモード	○	--	◎	--	MB27601/5に添付
	V2.0 L0.0	0200820524	&HFBA5	TRK=6, SCT=20	5" DOSモード	○	--	◎	--	市販
	V2.0 L1.0	0200821225	&HFBA5	TRK=6, SCT=20	5" DOSモード	○	--	◎	--	市販
DISK-BASIC (8インチ版)	V2.0 ??	??	??	??	8" DOSモード	○	--	○	◎	MB27603に添付
BUBBLE-BASIC	V2.2 ??	??	??	??	BUBBLEモード	△	◎	○	--	市販

DISK-BASICの添付ユーティリティの違いです。(表２)

	版数	SYSDSK(5)				VOLCOPY(5)		AUTOUTY(5)
	版数	Format	System Copy	Interleave Factor	DSKINI	From To	Tracks at a time	AUTOUTY(5)
DISK-BASIC (5インチ版)	V1.0 L1	0, 1, 2, 3	0->1, 0->0	0	必要	0->1, 1->0, 0->0	2	無し
	V2.0 L0.0	1	0->1	0	不要	0->1, 1->0, 0->0	2	有り
	V2.0 L1.0	0, 1, 2, 3	0->1, 0->0	0	不要	0->1, 1->0, 0->0	2	有り

解説：

Formatの欄は、フォーマット対象ドライブです。
Interleave Factor = 0 の場合、セクタの並び順は 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16です。
FATセーブレートは、表にはありませんが、F-BASIC V1.0、V2.0 5インチ版では17に固定となっています。
DSKINI = 必要の場合、SYSDSK終了後にDSKINI <ドライブ番号>が必要です。
- 注：DISK-BASIC V1.0 の DSKINI コマンドは、システム領域を認識しません。従って F-BASIC 2.0 や F-BASIC 3.3/3.5 等のシステムディスクに対して DSKINI を実行すると、 Track=2以降に格納されているシステム領域もフリーエリアとしてクリア(消去)してしまいますので注意が必要です。
Tracks at a time = 2 の場合、2トラック毎にコピーを行います。シングルドライブの際、ディスクを交換する回数が増えます。20回も交換しないといけません。
F-BASIC 3.0 以降に存在する PFDEF ユーティリィはありません。

2.2 F-BASIC V3.0～V3.5 (FM-7/NEW7/77シリーズ/77AVシリーズ) の部

2.2.1 F-BASIC V3.0 (FM-7/NEW7/77シリーズ/77AVシリーズ)

F-BASIC V3.0 には ROM版と DISK版とあり、それぞれマイナーバージョンが複数種類存在します。
しかし、例によって起動画面からはその区別はほとんどできません。
また、RS-232Cカード(あるいは日本語通信カード)を実装していたり、 FM77AV20/40以降の機種で F-BASIC V3.0 L2.1 のシステムディスクを生成し、かつ SETUP でRS-232Cを有効にした場合、RS-232C用のバッファが確保される関係でフリーメモリが少なくなります。

これはROM-BASIC起動画面です。
以降の起動画面については、ROM部分はV3.02を使用しています。 V3.00を使用した場合にはbyの部分がByとなります。

これはRS-232Cカード装着時のROM-BASIC起動画面です。
RS-232Cなしと比べて、フリーメモリは159バイト少なくなります。
今の感覚では 159バイトなんてゴミみたいなもんですが、当時はこの 159バイトのせいで動かなくなるソフトがけっこうあり、必要に応じて RS-232Cカードを脱着しなければいけなかったのを思い出します。 (FM77AV20/40以降で、ソフト制御で生かしたり殺したりできるようになったのは便利この上ないです。)

これは、手元の日本語通信RS-232Cカード装着時のROM-BASIC起動画面です。
RS-232Cの2チャネル分のバッファを確保してしまっています。(実際に使えるのは1チャネル)
アドレスデコードに手抜きがあり、&HFD20-23 のレジスタが &HFD28-2B にも見えてしまっているのが原因のようです。
メモリを覗くと、COM0 用と COM3 用のバッファが用意されています。
~~(現在貸し出し中のもう１枚のカードでは修正されているのかもしれません。その場合は１チャネル分の確保になるはずです。)~~

これはDISK-BASIC起動画面です。
デフォルトのドライブ数は２、ファイル数は１です。

これはRS-232Cカード装着時のDISK-BASIC起動画面です。
あるいは FM77AV20/40以降の機種で F-BASIC V3.0 L2.1 のシステムディスクを生成し、かつ SETUP でRS-232Cを有効にした場合です。
RS-232Cなしと比べて、フリーメモリは159バイト少なくなります。

これは、手元の日本語通信カード装着時のDISK-BASIC起動画面です。
RS-232Cの2チャネル分のバッファを確保してしまっています。(実際に使えるのは1チャネル)
アドレスデコードに手抜きがあり、&HFD20-23 のレジスタが &HFD28-2B にも見えてしまっているのが原因のようです。

続いて、ROM-BASIC のバージョンの違いを見てみましょう。
F-BASIC V3.0x では、&HFBA5番地にバージョンストリングが格納されています。
(これは F-BASIC V2.0x と同じ番地です。)

初代FM-7に搭載された V3.00 です。

FM-7の後期ロットとFM-NEW7の極初期のロットに搭載された V3.01 です。
V3.00 に対してかなりの数のパッチが当てられており、バージョンストリングの直前まで使われています。

ほとんどのFM-NEW7、FM-77、及び FM77AVシリーズにも使われている V3.02 です。

V3.00 から V3.02 へどの程度修正されているのかバイト単位で比較してみました。
白は一致、赤は不一致です。

続いて、DISK-BASIC のバージョンの違いを見てみましょう。
F-BASIC V3.0 の各DISKバージョンでは、&H6EA3番地にバージョンストリングが格納されています。
(この辺りのアドレスは起動後はフリーエリアになってしまいますので、消えてしまうこともあります。)

もっとも初期バージョンの V3.0 L0.0 です。
バージョンストリング（日付情報）がポツンと浮かんでいます。

後期版の V3.0 L1.0 です。
バージョンストリング（日付情報）がポツンと浮かんでいるのは L0.0 と同じです。

FM-NEW7及びFM-77が発売された頃のバージョンである、V3.0 L2.0 です。
このバージョンから次のような大きな変更が入っています。
- システム定数テーブルがサポートされた
- インタリーブファクタが変更になり、アクセスが高速化された
- FCOPY等のディスクユーティリティが標準添付された
- DOSモードでも起動する
また、3.5"版については次の３種類存在します。(詳細な違いは下の方に記載しました。)
- 市販版。SM07317-F128
- FM-77(D1/D2/L4)に添付されたもの。SM07317-F122
- FM-77L2に添付されたもの。SM07317-F131

FM77AV20/40以降のF-BASIC V3.3/3.4で生成可能な、F-BASIC V3.0 L2.1です。
RS-232Cの Enable/Disable を切り替えることが可能です。
バージョンストリングに変更はありませんが、L2.0と比較して次のような変更が入っています。
- FM77AV20/40以降の機種で使用する際にはドライブ０以外からも起動可能
- IDセクタの6バイト目の内容に従い、RS-232Cのイネーブルとクロック・ボーレートの設定を行う
DISK BASICの本体部分は V3.0 L2.0 と差はありません。IPLとIDセクタのみ異なっています。

それでは簡単にまとめておきます。(表３)

	版数	バージョンストリング			起動可能モード	フォーマット (Interleave Factor)	FATセーブレート	システム定数テーブル	起動ドライブ	搭載機・入手方法
	版数	内容	メモリ位置	フロッピー位置	起動可能モード	フォーマット (Interleave Factor)	FATセーブレート	システム定数テーブル	起動ドライブ	搭載機・入手方法
ROM-BASIC	3.00	0300820920	&HFBA5	--	BASICモード	--	--	--	--	FM-7(前期版)
	3.01	0301830331	&HFBA5	--	BASICモード	--	--	--	--	FM-7(後期版)、FM-NEW7(初期ロット)
	3.02	0302840301	&HFBA5	--	BASICモード	--	--	--	--	FM-NEW7(初期ロット以外)、FM-77以降全て
DISK-BASIC (5インチ版)	V3.0 L0.0	821001	&H6EA3	TRK=0, SCT=15	BASICモード	０	１	サポートなし	０のみ	市販
	V3.0 L1.0	830311	&H6EA3	TRK=0, SCT=15	BASICモード	０	１７	サポートなし	０のみ	市販
	V3.0 L2.0	840505	&H6EA3	TRK=0, SCT=15	BASICモード DOSモード	２	１７	サポートあり	０のみ	市販(FM-NEW7と同時発売)
DISK-BASIC (3.5インチ版)	V3.0 L2.0	840505	&H6EA3	TRK=0, SCT=15	BASICモード DOSモード	２	１７	サポートあり	０のみ	市販 FM-77に添付 V3.3L10より生成
DISK-BASIC (3.5インチ版)	V3.0 L2.1	840505	&H6EA3	TRK=0, SCT=15	BASICモード DOSモード	２	１７	サポートあり	全ドライブ (AV20/40 以降)	V3.3L20以降/ V3.4より生成

こうして見ると、DISK版の F-BASIC V3.0 も少しずつ、地道に改良を重ねてきていたことがわかります。
(アクセス高速化、ユーティリティ追加、システム定数テーブルの採用、起動モード非依存、任意の起動ドライブ等)

Interleave Factor は次のセクタまでの間隔を表しています。
- Interleave Factor = 0 の場合、セクタの並び順は 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16です。
- Interleave Factor = 2 の場合、セクタの並び順は 1,12,7,2,13,8,3,14,9,4,15,10,5,16,11,6です。
FATセーブレートは、ディスク上のFATを書き換える頻度を示すものです。(1～255)
- FATセーブレート = 1 の場合、メモリ上のFATの書き換えの度にディスク上のFATを書き換えます。従って、頻繁にシークすることになり、ディスクアクセスが遅くなってしまいます。ただし、メモリ上のFATとディスク上のFATの内容が常に一致しているので、データの安全性は高いです。
- FATセーブレート = 17 の場合、メモリ上のFATが17回書き換えられた際にディスク上のFATを書き換えます。このためシークする頻度が低くなり、ディスクアクセスが高速化されます。
- F-BASIC V1.0 及び V2.0では、この値は17で固定となっています。
システム定数テーブルはトラック=0、セクタ=14に存在し、以下の定数を保持します。
- 各ドライブのステップレート(6msecまたは20msec)
  ただしFM-NEW7の初期版のブートROM搭載機のみ利用可能な定数です。
- プリンタへ送る改行コード
- ターミナルモードにおいてPF10キーを押した際に送出するBreak信号の長さ
- ターミナルモードにおいて、改行時に自動的にShift-In($0F)コードを送出するか否か

次に、システムディスク添付ソフトウェアを比較してみましょう。
F-BASIC V3.0の標準状態では見難いので、横表示拡張したFILESで表示しています。

機種：FM-7
SOFT：5インチDISK版 F-BASIC Ver 3.0 L0.0 (821001)
SOFT：5インチDISK版 F-BASIC Ver 3.0 L1.0 (830311)
型格：SM07317-F121
大別すると、標準ユーティリティ群とDEMOソフトウェアが添付されています。この時期は添付ソフトもデモも少ないです。

機種：FM-NEW7
SOFT：5インチDISK版 F-BASIC Ver 3.0 L2.0 (840505)
型格：SM07317-F123
SOFT：3.5インチDISK版 F-BASIC Ver 3.0 L2.0 (840505)
型格：SM07317-F128
従来はDISKユーティリティとして別売だったFCOPYやFDUMP等が追加されています。
デモはFM-NEW7用の新作です。内容も高度になっています。
また、音声合成カードのドライバとデモ、マウスのドライバとお絵かきツールも添付されています。

機種：FM-77
SOFT：3.5インチDISK版 F-BASIC Ver 3.0 L2.0 (840505)
型格：SM07317-F122
従来はDISKユーティリティとして別売だったFCOPYやFDUMP等が追加されています。
デモはFM-77用の新作です。内容も高度になっています。
音声合成デモやお絵かきツールはFM-NEW7用と微妙に異なっています。 (あまり必然性はないと思えるのですが。)

機種：FM-77L2
SOFT：3.5インチDISK版 F-BASIC Ver 3.0 L2.0 (840505)
型格：SM07317-F131
ユーティリティ系は同じですが、デモはFM音源カードデモソフトを流用したものとなっています。
音声合成やマウス関係のファイルは姿を消し、FM音源関係のプログラムやデータでいっぱいです。

各システムディスクの添付ファイルの違いをまとめておきます。(表４)

	版数	標準ユーティリティ			SYSUTY	デモ	DISK ユーティリティ	音声合成ドライバ・デモ	マウスドライバ・デモ	FM音源ライブラリ
	版数	SYSDSK VOLCOPY AUTOUTY PFDEF	DFMCD (Interleave Factor)	MCOPY (Tracks at a time)	SYSUTY	デモ	DISK ユーティリティ	音声合成ドライバ・デモ	マウスドライバ・デモ	FM音源ライブラリ
DISK-BASIC (5インチ版)	V3.0 L0.0	○	０	２	--	FM-7	--	--	--	--
	V3.0 L1.0	○	０	２	--	FM-7	--	--	--	--
	V3.0 L2.0	○	２	５	○	FM-NEW7	○	○	○	--
DISK-BASIC (3.5インチ版)	V3.0 L2.0 (市販版)	○	２	５	○	FM-NEW7	○	○	○	--
	V3.0 L2.0 (FM-77添付)	○	２	５	○	FM-77	○	○	○	--
	V3.0 L2.0 (FM-77L2添付)	○	２	５	○	FM-77L2	○	--	--	○
	V3.0 L2.1	F-BASIC 3.3/3.4に添付のユーティリティを使用

解説：

SYSDSK：フロッピーディスクのフォーマットとシステムのコピーを行います。
VOLCOPY：フロッピーディスクの複写を行います。複写先のディスクは事前にフォーマットされている必要があります。
AUTOUTY：DISK-BASIC起動時に自動的にプログラムを実行するか否か、またその際のドライブ数、オープン可能ファイル数を設定します。自動起動するプログラム名は"STARTUP"に固定されています。
PFDEF：DISK-BASIC起動時のデフォルトのファンクションキー内容を設定します。
DFMCD：SYSDSKからコールされる機械語プログラムで、フロッピーディスクの物理フォーマットを行います。バージョンにより、セクターインターリーブをするものとしないものがあります。
MCOPY：VOLCOPYからコールされる機械語プログラムで、２または５トラック毎にフロッピーディスクの複写を行います。
- Tracks at a time = 2 の場合、2トラック毎にコピーを行います。
- Tracks at a time = 5 の場合、5トラック毎にコピーを行います。
当然ですが、この数字が大きい方がシングルドライブで複写する際、ディスクを交換する回数が減ります。
SYSUTY：システム定数テーブルの設定を行います。詳細は番外編（その２）を参照してください。

2.2.2 F-BASIC V3.0J (FM-7/NEW7/77/77AV)

F-BASIC V3.0J は、FM-7/NEW7/77 が製造中止され、しばらく経って発売された「日本語通信カード」に添付されていたものです。
上記の F-BASIC V3.0 に、シフトJISコードに対応した縮小漢字表示機能と、カード内のCPUと辞書ROMを使用したかな漢字変換を実現する大変優れものです。
5インチ版と3.5インチ版が両方添付されていましたが、内容は同じです。

それでは、F-BASIC V3.0J を起動してみましょう。とりあえず日本語通信カードなしでの起動です。

まずはこのような画面で起動します。
デフォルトのドライブ数は２、ファイル数は１です。
"DISK VERSIOIN" の表示が水色になっているのが目新しい点でしょうか。
この段階では日本語機能は使えません。
また、正式サポートはされていませんが、FM77AVシリーズでも使えるようです。
(少なくとも IPLには AVシリーズを意識したコードが含まれています。)

まず FILES を取ってみます。
このように、F-BASIC V3.0J では標準で横拡張FILES表示を行います。
次に、"V3.0J" というプログラムを実行します。
(RUN "V3.0J")

すると、このような画面に切り替わります。
日本語通信カードが装着されていないので日本語入力はできませんが、表示のみは可能です。擬似400ラインモードというか、20行の表示が可能です。
このモードの不便な点は、カーソルエディットができなくなり、ラインエディットのみになることです。これが唯一にして最大の欠点と思います。
元の、日本語を使えないモードに戻すには、"V3.0" というプログラムを実行します。
(RUN "V3.0")

メモリを覗いてみますと、F-BASIC V3.0 の ROMがちゃんと使われています。BASIC の処理は ROMで、日本語処理は裏RAMで行っているようです。

次の３枚は日本語通信カードを装着した場合です。

上述の通り、RS-232Cの通信バッファを2チャネル分確保して起動してますので、フリーメモリがよけいに減っています。

日本語モードにした場合です。

メモリを覗いてみますと、F-BASIC V3.0 の ROMがちゃんと使われています。BASIC の処理は ROMで、日本語処理は裏RAMで行っているようです。

それでは、日本語通信カードの主機能のひとつであるかな漢字変換を実行してみましょう。

ここまで打ち込んでおきます。
入力モードは次の３種類あります。
- ローマ字入力かな漢字変換
- 英数かな入力かな漢字変換
- コード入力

<CTRL>キーを押しながら Aキーを押すとローマ字入力かな漢字変換モードになります。
最下行、もしくは最上行が、変換のために使用されます。
変換に使用するキーは、デフォルトでは次の通りです。RUN"KSET" で変更もできるようです。
- 変換キー　　↓
- 逆変換キー　SHIFT＋↓
- 無変換キー　↑

<CTRL>キーを押しながら Sキーを押すと英数かな入力かな漢字変換モードになります。
最下行、もしくは最上行が、変換のために使用されます。
英数字は、タイプしたものが全角に変換されて編集行に入力されます。
ローマ字入力が苦手な方は、カナキーを押してカナ入力モードにして、かな漢字変換を行うことができます。変換キーは同じです。

<CTRL>キーを押しながら Dキーを押すとコード入力モードになります。
最下行、もしくは最上行が、変換のために使用されます。
４桁のJISコードをタイプすると、そのまま編集行に入力されます。

再度 <CTRL>キーを押しながら Aキーを押して、ローマ字入力かな漢字変換モードにします。
K Y O U H A とタイプすると、変換行に、「きょうは」と表示されます。

変換キー↑を何度か押して、目的の「今日は」を出させます。

次に、I I とタイプすると、先ほどの「今日は」が編集行に移され、変換行には「いい」と表示されます。
これは漢字に変換しないので、無変換キー↓を押します。

続いて、T E N K I とタイプすると、先ほどの「いい」が編集行に移され、変換行には「てんき」と表示されます。

変換キー↑を何度か押して、目的の「天気」を出させます。
「です。」を入力すると、「天気」が編集行に移されます。

最後にリーターンキーを押すと、入力完了です。

実行してみます。
正しく表示されました。

2.2.4 F-BASIC V3.5 (FM-77シリーズ) の部

デフォルトの320KBドライブ数は２、1MBドライブ数は０、ファイル数は１です。

F-BASIC V3.5 では、&HFB9D番地にバージョンストリングが格納されています。
（ちなみに FM77AVシリーズの F-BASIC V3.3 及び V3.4、そして FM-11シリーズの F-BASIC V4.x 及び V5.0 も同じ場所に格納されています。）

FILESを取ってみますと、F-BASIC V3.0 L2.0 並に各種ユーティリティが標準装備されていますが、残念ながらデモプログラムのようなものはありませんでした。

FM-77の400ラインモードは、単色というイメージが強いのですが、それはあくまでグラフィック画面の話であって、半角キャラクタ画面は FM-11 並に16色表示が可能です。だからどうした、って話もありますが...
- COLOR <テキストカラー>,,,<アトリビュート>
テキストカラーは0～7で指定します。パレット機能は効きません。(8～15を指定した場合はリバースになります。)
アトリビュートにはリバース、ブリンク、インテンシティ(高輝度)の指定ができ、 4～7が高輝度になります。
第2,3パラメタはグラフィック画面用です。こちらはパレットコードで指定します。 (パレットも16色の中から選んで指定するのですが、同時表示が2色しかないのがちょっと...)

いずれにしろ、この辺りまで XM7 1.1 できちんと再現されているのは驚異的互換性と思います。
PIさん、りうさんには頭が下がります。

それでは、F-BASIC V3.5 の(というか400ラインセットの)特長とも言うべき、漢字入力を見てみましょう。
この漢字入力機能はサブシステム側で実現されており、FM-11AD2/BS以降に搭載されているものと同一仕様になっています。

まずはおまじないです。
- SCREEN 6
とやります。F－BASIC V3.3 L20以降及び V3.4 における KANJI ON に相当します。

すると画面がクリアされます。次に CTRL-W のキーを押します。
画面最下部に漢字入力モードの選択リストが出てきます。
ここでは1を選択することにします。

カーソルが2箇所で点滅していることに注意してください。
画面最下行で、tan と入力し、リターンします。

すると最下行に漢字候補が出てきます。ここでは目指す漢字は「単」ですので、2 を押します。
目指す漢字が無い場合には、リターンキーを押すと順に出てきます。

さぁ、これで１文字入力完了しました。

上記の要領で、１文字ずつ入れていきます。
けっこう大変な作業ですが、コード入力よりはマシというものです。

F-BASIC V3.0J よりも優れている点として、漢字モードでもカーソルエディットができます。
さきほど入れた「単漢字変換」の前に 10 PRINT を挿入してみます。ちゃんと入ります。
そして RUN するとちゃんと表示されます。すばらしい。

最後に、漢字モードを解除してみます。
LIST や RUN は可能ですが、文字は化け化けです。
左の例では SCREEN 5 としています。6以外が非漢字モードになります。
- SCREEN <画面モード>
  0～3：グラフィックスクロールなし
  4～5：グラフィックスクロールあり
  6：漢字モード
FM-11のF-BASIC V5.0と共通化のため、パラメタに設定する値が冗長になっています。

このように、F-BASIC V3.5 は V3.0 に400ライン表示機能を加えたと言うよりは、FM-11の F-BASIC V5.0 を(無理やり?) FM-77 に押し込んだようなスペックになっているのがわかります。実際、F-BASIC V3.5 の内部構造も F-BASIC V4.0/V5.0 によく似ています。

2.2.9 F-BASIC V3.x 一覧表

次に、F-BASIC V3.x について利用可能デバイスの観点から表にまとめてみました。(表５)

	版数	起動(ブートROM)	利用可能デバイス(◎は起動デバイス)				入手方法
	版数	起動(ブートROM)	320KB(2D) FDD	640KB(2DD) FDD	1MB(2HD/8") FDD	RAM DISK	入手方法
DISK-BASIC (5インチ版)	V3.0 L0.0	BASICモード	◎	--	--	--	市販
	V3.0 L1.0	BASICモード	◎	--	--	--	市販
	V3.0 L2.0	BASICモード DOSモード	◎	--	--	--	市販
	V3.0J	BASICモード DOSモード	◎	？	--	--	日本語通信カードに添付
DISK-BASIC (3.5インチ2D版)	V3.0 L2.0	BASICモード DOSモード	◎	--	--	--	市販または添付
	V3.0 L2.1	BASICモード DOSモード	◎	--	--	--	FM77AV20/40以降に添付
	V3.1 L?.?	BASICモード DOSモード	◎	--	○	--	市販
	V3.5 L0.0	BASICモード DOSモード	◎	--	○	○	FM-77L4/400ラインセットに添付
	V3.0J	BASICモード DOSモード	◎	？	--	--	日本語通信カードに添付
	V3.3 L10	BASICモード DOSモード	◎	--	--	--	FM77AVに添付
	V3.3 L11	BASICモード DOSモード	◎	--	--	--	アップデートサービス？
	V3.3 L12	BASICモード DOSモード	◎	--	--	--	アップデートサービス？
	V3.3 L20	BASICモード DOSモード	◎	○	--	--	市販
	V3.3 L30	BASICモード DOSモード	◎	○	--	--	市販
DISK-BASIC (3.5インチ2DD版)	V3.3 L20	BASICモード DOSモード	○	◎	--	--	FM77AV20に添付
	V3.3 L30	BASICモード DOSモード	○	◎	--	--	FM77AV20EXに添付
	V3.4 L10	BASICモード DOSモード	○	◎	--	○	FM77AV40に添付
	V3.4 L20	BASICモード DOSモード	○	◎	--	○	アップデートサービス
	V3.4 L20	BASICモード DOSモード	○	◎	--	○	FM77AV40EXに添付
	V3.4 L21	BASICモード DOSモード	○	◎	--	○	FM77AV40SXに添付

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